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パニック障害~色んな病気が引き起こす?~

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さっぽろ麻生メンタルクリニック院長の長岡です。

もうすぐ2月ですね。節分をすぎれば暦では春ですが、まだまだ寒さの続く札幌です。みなさんも体調管理には気をつけましょう。

 

パニック発作という言葉は聞いたことがあるかと思います。動悸、息切れ、心拍数の増加、発汗などの症状が突然起こり、強い恐怖や不快感を伴うのがパニック発作です。

パニック発作を理由に受診を検討される方も多いと思います。

このパニック発作ですが、その類似症状は他の様々な病気でも起こることがあります。以下にパニック障害に似た症状を引き起こす病気について説明したいと思います。

 

1.甲状腺機能亢進症:甲状腺が腫大し甲状腺ホルモンを大量に生産して病気ですが、大量の甲状腺ホルモンの影響で神経質となったり、イライラし、動悸、呼吸苦、めまいなどのパニック発作類似症状を呈することがあります。

2.喘息:喘息による発作も不安が伴い、また呼吸困難を伴います。まだ喘息の原因がわからないときは、こころの病と言われていた時期もありました。

3.低血糖:血糖値が急激に下がるときは、自律神経症状が強くなります。発汗、震え、不安、動悸、口唇の乾燥などがみられます。そのほか中枢神経症状として意識の混乱も認めることがあります。主に自律神経症状がパニック発作類似症状と言えると思います。

4.心筋梗塞:これは初めてパニック発作を起こした方ならば、救急搬送され心臓病かもと不安になったことがあるかと思います。

5.褐色細胞腫:非常に珍しい病気です。副腎の良性腫瘍であり、パニック発作類似症状や高血圧などを認めます。

6.更年期障害:動悸、息切れ、めまい、ふるえや倦怠感などがあり、体が火照りやすくなって汗もかきやすくなります。発作的なものはありませんが、全体的に見て、どの症状にも当てはまります。更年期障害は年齢的なものもありますので、パニック障害が起きやすい20~30代という年齢を考慮すると、症状は似ていてもパニック障害ではなく、更年期障害であることがほとんどです。

7.不整脈、僧房弁逸脱症:これらの循環器疾患をもっている患者さんでパニック発作類似症状を呈します。

8.貧血:貧血は身体に酸素を運ぶヘモグロビンが少なく、頭痛、めまい、息切れ、易疲労感、動悸、ふらつきなどを認めます。これらの症状はパニック発作でも認める症状です。

他にもパニック障害に似た症状を呈する病気は様々あります。

パニック障害の治療開始前にしっかりと上記疾患の鑑別を行ってから治療を検討することが大切です。

 

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