10代のうつ病、うつ状態
心身ともに大きく成長する思春期は、その変化に本人自身も戸惑い、彼らがみせる言動のどこまでが健康的な「悩み」の表れであり、どこからが「病気」の症状なのか、その判断を下すのは誰にとっても難しいことです。
精神科医として思春期の年代には、病気の輪郭が曖昧なケースが少なくなく、慌てて白黒をつけるよりもグレーはグレーのままで経過を見たほうが、のちに本人に利益をもたらす場合もあります。この時期の子どもたちには、傍らで彼らの悩みに耳を傾け適切な助言のできる大人が、一人でも多くいることが大切だと考えます。
家庭の悩み、学校の悩み、友人関係、恋人の悩みなどで、実に多種多様な症状が現れます。
体調が悪い、頭が痛い、おなかが痛い、昼夜逆転、1日中ネットばかりしている、気分が沈んでいる、やる気が出ない、イライラする、学校へ行きたくない、自分のことを傷つけてしまう等、症状として記載するには枚挙がありません。
また子どもが抑うつ状態であると、多くのケースでそれと同じく、あるいはそれ以上に、ご家族の誰かが抑うつ的になっていることも珍しくありません。子どもの抑うつ状態、うつ病の背景には、家族の問題を抜きにして考えることはできないケースも多いかと思います。
麻生メンタルクリニックでは10代の抑うつ状態、うつ病に対して、その背景にひそむ思春期心性にも注目しながら治療にあたっていきます。
治療
治療としては、うつ病の診断がつくのであれば抗うつ薬の使用も検討します。しかし何よりも学校、家庭以外の相談できる場になり得るような治療環境にすることを目指しております。