ひきこもり
ひきこもりについて
社会的ひきこもりは病名ではありません。この状態は臨床単位とはみなせず、ひとつの状態像を指します。日本の引きこもり研究、臨床の第一人者である斎藤環先生によると、社会的ひきこもりは以下のように定義づけられます。
20代後半までに問題化し、6ヶ月以上、自宅にひきこもって社会参加をしない状態が持続し、他の精神障害がその第1の原因とは考えにくい状態を指します。
男性の事例が約8割と多く、どのような家庭においても、どのような子供であっても、ひきこもりは起こりうると考えられています。
思春期の問題として不登校が挙げられますが、実際、問題の初発は不登校で始まるケースが多くあります。不登校の子供が立ち直るチャンスを逃したまま、大人になった場合、不登校から社会的ひきこもりにかわってしまいます。
また昨今では、30代、40代以上の大人の引きこもりが社会問題になっており、行政としても喫緊の課題と考えられています。
それでは何故、引きこもりがこれだけ社会問題化したのか、それを理解するには今の若者が軟弱である等の若者批判では問題の本質を見誤っていると言わざるを得ません。
社会の問題としてひとつあげられるのは、若者の貧困化が大きいと思われます。若者のワーキングプア、ニートなど就労そのものが困難な状況も多く、若者自身が意欲を失っていき日本全体が弱体化しているとも考えられます。それ以外にも非正規雇用の問題、高齢化のため親の介護のため離職するも再就職ができないなども引きこもりにつながるものと思われます。
引きこもりで見られやすい精神症状として、不安症、被害関係念慮、強迫傾向、うつ病、家庭内暴力などがあります。
治療
治療的介入として、まず引きこもり当事者を無理に引っ張ってくることはせずとも両親がその相談をするため受診することも大事です。親としての関わり方について、助言を行ない、家庭内が当事者にとって居心地のいい場所になれるように努めていきます。
また引きこもりに対するグループワークも行なっていく予定です。